全社的な取り組みってナニ?情報に振り回されない”みんな”の力!
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田口 淳之介
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田口 淳之介 プロフィール
[副題 あなたにとってボクのことはどうでもいい]
最近みんなに”J”って呼ばれてるジュンノスケです。
今回は、よくマネジメント系のビジネス書に出てくる、
これは全社的な取り組みです!
の謎というか、誤解というか、闇を払拭する記事を書いていこうと思います。
というのも、この「全社的な取り組みです!」という言葉に、最も踊らされ、とんでもなく悲惨な毎日を過ごしたことがあるので、このテーマはボクにとって、とても重要なのです(笑)
そして、ボクほどでなくても多少は踊っちゃってる経営者・マネージャーさんもいるかもしれません。
そんな方には価値がある記事にしたいと思います。
(踊らされた内容はここでは割愛しますが、とにかくスタッフが辞めたり、業績が悪化したりします。そして、身も心もズタボロになります。)
経営者やマネージャーの脳には「全社的な取り組みです!」というのは、すごく魅力的に!
そして、強烈なインパクトのある言葉です。
人によっては『なんだか強いチーム』を思い浮かべる人もいるかもしれません。
『統制のとれたチーム=効率的なチーム』が頭に浮かぶ人もいるかも…
何より、悪いイメージがまったく浮かばない。
しかし、ココに落とし穴があると思うんです。
というのは、実際に「全社的な取り組み」の方法を具体的に教えてくれる人が殆どいないんですよね。
もちろん、できてる人はいますが、そういう人はたいてい「自然にできている場合」が多いので、教える側に回っていなかったりします。(もしくは行動の統制=全社的な取り組みとしているか)
ということで、自然になんて、1ミリもできなかったボクが、なるべく具体的な考えをオープンにしてみたいと思います。
「全社的な取り組みです!」に踊らされる5つのあるある
※話をわかり易くするために「お客様に、次回も来店して頂けるようなセールスレターを書く」ということを例題にしていきます。
全社的な取り組み=全員一緒にスタートする
真心のこもったセールスレター
書かないより、書いてお客様との関係性を深めた方がいいに決まっています。
この考えを、マーケティング塾とかで経営者やマネージャーが仕入れてくる。
そして「素敵なことだ~!」と、情熱をチームにぶちまけます!
そして、早速、週末に全従業を(例えば30名弱)を集めて、
- お客様にセールスレターを書くことの素敵な点
- “売上げ”のあがるはなし
なんてことを、テンション高めで話します。
また、少し考える経営者・マネージャーなら、「うまくやってる仲間」を連れてきて、従業員に話しをしてもらったりします。
スモールビジネスの世界では、どこにでもある普通の光景です。
がっ!ボクは、思います。
「なぜ、全社的な取り組みにしたいのに、全員同時に聞かしちゃったかな~」と思うわけです。
これは、経営者・マネージャーが典型的に陥るパターン。
“ゴール”を考えていない
です。
ゴールを考えずに、スタートに力み過ぎているから、
セールスレターを全社的に取り組む
=
全員同時のスタートとなっているのです。
完全にマラソンなんかと同じに考えています。
マラソン大会で全員が同時にゴールしてるの見たことありますか?
絶対にないですよね!
スポーツは、スタートを公平にしなくてはいけないけど、
チームマネジメントは
ゴールを公平にするように考える!
なんですよね。
だから、マラソンのように、みんなを同時にスタートさせる意味が全然ありません。
ただ、経営者・マネージャーに”悪気がない”けど、1番しくじるのが多いパターンです。
全社的な取り組み=全員が”すぐに理解し行動すること”をルールにする
経営者やマネージャーが、全員に同じスピードで、同じ行動を要求するパターンです。
しかし、実際にはその行動が具体的にされていなかったり、充分に「トレーニング=反復」されていなかったりする場合に悲劇は起こります。(スタッフにとってもマネージャーにとっても)
これは、話を持ってきた人(経営者・マネージャー)には最後のイメージが湧いている。
けど、そこに行くまでの地図がない!という時に起こるパターンです。
だいたい、仕事が出来る人は「箇条書き」でかかれた資料を、自分の中で物語にすることが出来るような人です。
だから、従業員(仲間)にも、箇条書きでモノゴトを伝えたら「自分と同じくらい理解できている」と思ってしまう。
がっ!ボクは、思います。
箇条書きで理解し、心を自ら動かせたなら…
おたくの従業員は、
全員経営者になってるだろ!
と。
そうじゃないから、マネジメントという仕事があって、チームの中でお互いに学び、協力することがあるんだと思います。
全社的な取り組み=行動をすぐに揃えようとする
セールスレターを書くに当たって、全員に同じクオリティを要求する。
けど、どうしても「残念なレター」を書く者も出てくる。
それを見て『セールスレターの質を揃えるように強制しだす!』ということです。
これは『ブログを従業員に書かせている…』なんて会社でもよくあることですね。
従業員に同じクオリティを求めるのは間違っていません。
ただ、質を高めたいなら、それ以上に経営者・マネージャーが従業員のサポートを考えなくてはいけません。
セールスレターを揃えるだけなら、画一的なレターを送付すればいいだけです。(本部とかで印刷した)
わざわざ、スタッフが書くことに意味があるなら、その目的から行動を考える必要があります。
しかし、『セールスレターを送る』ということに、ポジティブなイメージをしている経営者・マネージャーは、残念なレターを見て「これなら出さないほうがマシだろ」と、怒りの感情を感じます。
怒りの感情のままに、従業員を叱りつけるパターンもあるだろうし、怒って「セールスレターの取り組みをやめる」というパターンもあります。
自分が持ってきて(輸入して)『従業員の出来が悪い!』といって、輸入の停止です。
この怒りの根源には、『みんながすぐにセールスレターを書けるハズ』という、勝手な期待が存在してたりします。
勝手に期待してるから、焦って行動を揃えようとした時に、よく起こるパターンです。
『行動を揃えればいいや!』と考えるのは、「単純に練習が必要」という基本を知らないか、忘れているからです。
「できない組」にプレッシャーを与え、潰していく
この問題は、そもそも「セールスレターを書く目的」が「全社的な取り組みをする」にすり替わってしまうために起こるものです。
例えば、セールスレターをみんなが最初の2週間くらいは書く。
そして、お客様の喜びの声が2~3は聞こえてくる。
(これは本当に嬉しいものです。)
しかし、経営者(マネージャー)の頭の中には、
「全従業員が書いてるのに…もっとお客様の反応があってもいいんじゃないか?」
という声が響きます。
そして、「全員がちゃんと書いているのか?」という声が聞こえたと同時に『セールスレターでお客様とリレーションシップを深める』という目的は薄らぎ、「全員が書く」という行為が目的になってしまうパターンです。
そうすると、この時点では「ちゃんとかけてる」従業員の数は少ないはずです。
見渡せば、従業員の殆どは「できない組」なわけです。
そして、「できない組」認定した人に、「ちゃんと書けよ!とプレッシャーをかける」という行為が炸裂して、プロジェクト自体が「重い」ものになります。
最後は、このプロジェクトは自然消滅します。
(すぐに、経営者は新しいネタを持ってきますが 笑 ネタは変わってもこれのループです)
全社的な取り組みに断念し、経営者・マネージャーが無気力になっていく
全社的な取り組みを成功させるのに必要なのは、最終イメージと、そこに向かう地図&コンパスです。
しかし、そのどれかを持たないまま飛びついた「セールスレター・プロジェクト」は当然のことながら頓挫しました。
そして、従業員が動かないこと。
なぜ?
お客様に良いことをしてくれないのか?
心のなかでは
- 「バカなのか?」
- 「やる気が無いのか?」
- 「仕事をなめてるのか?」etc…
罵詈雑言が溢れでて、次第に経営者・マネージャーは無気力になり自滅していきます。
もう、こうなったらどうしようもない状態です。
単純に従業員が離れていく状態に向かいます。
責任者自身が、自分で気がついて、自分の考えを変えるしかありません。
叱ってくれる友人や顧問がいればいいのですが、いなかったら再起が難しくなります。
いかがでしたでしょうか?
1~5のどれかを、あなたも体験したことがあるかもしれません。
ボク自身は1~5をくまなく体験しました(笑)
しかし、今となってはその体験があって「逆のこと」を考えられるようになったので、とっても「全社的な取り組み!」が上手になってきたと思います。
「全社的な取り組み」とは、まさしく「取り組む方法の1つ」でしかない。
また、本当に「全社的な取り組み」を根付かせたいなら、プランニングと多少の根気(割合は9:1くらい)が必要だと思います。
「全社的な取り組み」は将来『文化』になるよう、プランニングするところからスタートします。
また、取り組んでいるうちに、プランに変更が出てくるのも当然です。
着地点にも修正が加わるかもしれません。
そして、最後に全社的な取り組みを行うのは、従業員(仲間)であって『自分一人ではできない』ということを大切にしなくてはいけません。
「全社的な取り組みをしなくては!」と気負ってしまいがちな経営者・マネージャーさんはリラックスして「全社的な取り組み」に挑んでくださいね♪
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