美容院経営者のお悩み『先輩が若手の指導をしない』問題解決法!
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田口 淳之介
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読了時間 約 8 分です。
キャリアのあるスタッフが若いスタッフのサポートを意欲的に取り組むためには?
『ある先輩(キャリアのある理美容師)が、若いスタッフの教育やサポートに意欲的に取り組まないんですよ…で、この状況を何とかしたいのですが。』
理美容院の経営者さんから、こんな内容のご相談をもらうことが増えているので、このテーマについて『どんな解決策があるのか?』をお伝えします。
こういう悩みって、問題の最中にいると感じている時は『もう、どうにもならない…』と感じてしまうものです。
しかし『教える・教えない』の原理原則を知れば、『まぁ、そうだよね~』と、ある意味で拍子抜けすら感じることが多いです。
なので、あまり気負わずリラックスして読んでみてください。
あなたのお店が変わる瞬間!
あなたの会社(お店)が変わりだす瞬間に起こっていること。
それは、あなたの頭の中のある自社(自店)に対する『イメージが変化した』です。
あなたの会社(お店)で、もし今とは全然違うレベルで『先輩が後輩に仕事をちゃんと教えられるようになった』としたら、ナニがどのように変わりますか?
例えば物質的なものはどう変わるでしょう?
売上げとか利益の変化は?
さらには、普段感じる『気持ち』はどんな風に変わるでしょう?
あなたにも、スタッフにも笑顔が増えそうですか?
まずは、1分でいいから『問題のある今の現状』をちょっとだけ忘れて、『最高の未来』を想像してみてください。
きっと、頑張っているアシスタントや若いスタイリストは今よりもっと速く成長しますよね。
その結果、売上げをあげてお店に貢献してくれる時期が早まります。
そして、『教えてくれてありがとうございます』とか『私の仕事を見て(盗んで)くれて、ありがとう。あなたの成長を応援できてとても嬉しいよ』
と言った嬉しい声が聞こえてきます。
こんな風に、教える方も教えられる方にも、感謝の気持ちが広がっていると思うんです。
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想像してみましたか?
しかし、この素敵なイメージ。
お気づきだとは思いますが…ナニも特別なことじゃないですよね。
理美容院の中で、本来は普通に見かけるべき光景です。
先輩が意欲的に若いスタッフを教育しない!5つのケース
なぜ、“本来みかけるべき光景”が見られなくなったのでしょうか?
この問題をクリアにしていくには、『原因』を正しく把握することが大切ですね。
今回のテーマである『先輩美容師さんが意欲的に若いスタッフを教育しないケース』では、次の5つ原因が見られます。
「人に教える」ことが「自分の成長になる」とことを理解していない
ボク達が成長するためには、必ずなんらかの『アウトプット』が必要です。
※アウトプット=出力。主にこの記事では「書くこと」・「話すこと」・『仕事を見せること』などを含めた『教える・伝える』という意味で使っています。アウトプットに関して最近ボクが読んで、わかりやすかった本を記事の最後にご紹介しますね。
そのため『人に教える』という行為は、最も『自己成長』を促すものです。
しかし、そのことを理解していないから若いスタッフさんのサポートに取り組まないという現象が起こります。
では、なぜキャリアのある先輩は理解していないのでしょうか?
2つの原因が考えられます。
原因A:そもそも『自己成長』にアウトプットが必要なことを“知らない”
知識として、『アウトプットがいかに自分自身にとって大切なのか』ということを知らない。
当然ですが、知らないことを人は“自分から進んでやっていこう!”とは思わないですよね。
こう話すと『こんなことも知らない人がいるなんて…』と驚かれる経営者さんがいます。
ここが一番の盲点です。
経営者が知っていることを、部下が知らないという現実(もちろん、部下に悪気はありませんよ)を理解していないと、お互いの認識に大きなズレが生まれます。(このズレが会社やお店を壊していきます)
原因B:そもそも『自己成長』に対する意欲が少ない
もう一つの理由は『自己成長欲が少ない』というものです。
成長欲も食欲と同じだと思うんですね。
よく食べる人もいれば、少食の人もいますよね。
また、同じ人でもタイミングによって、ガッツリ食べたいときもあれば、「今は少なめでいいや」というときもあります。
みんなが自分と同じように「自己成長に対して意欲がある」という前提をもっていると、経営者さんは苦しむことになります。
また、ボクはこうも思います。
「成長したい!」という想いはスタッフみんなが必ず持っている。
しかし、『同じタイミング』でその欲求を表現するというのは、現実的には少ない。
チーム内に必ずタイムラグがあるのが現実。
(リーダーシップ・プログラムでは、この『成長したい!』という意欲の刺激の仕方、そして店内で『成長したい!』という意欲をどのようにして空気感染させていくのか?という方法をお伝えさせてもらっています。)
「仕事を教える」でつくられた過去のトラウマが癒えていない
過去には(部下・後輩に対して)一生懸命教えていたこともあった。
しかし、その時ちゃんと教えを受け取ってもらえなくて、傷ついたことがある
この理由は、本当によく聞く“理美容師さんあるある”です。
自分の中では『一生懸命教えた』。
けど、それについてこれない部下(後輩)がいた。
そして『自分の指導の仕方が間違っていたのか?』という思いを持った。
その時の哀しみや喪失感が心のなかにあって、なんとなく『指導』から距離を置いている。
実はボクもこの体験があります。
部下に仕事を教えていたんです。
結果、プレッシャーのかかった部下から「謎の蕁麻疹が出ました」と言われ、トレーニングを中断しました。
もう、今から12年以上も前のことですが、その後ボクは“指導”について考えさせられたのでした。
教え方に自信が持てなくて、教える気になれない
『教え方に自信がないから、教えない』
これ、ちゃんと分けて考える必要性があります。
技術に自信がある≠技術を教えることに自信がる
です。
『売上げを上げる』と『部下を育成する』では、仕事内容が異なります。
(もちろん、本質的には同じなのですが…この「同じ」という風に見えないから自信を無くしているのです)
本来、若いスタッフに仕事を教えるにあたって自信は必要ありません。
また自信を持つ必要もないのです。
本当に必要なのは『教える』ということを、『新しい仕事』という目で見ること。
そして『教えるという仕事』に対して『チャレンジする意欲』が必要なだけです。
頑張っていない若いスタッフを教える気にはなれない
『私は頑張ってスタイリストになりました。最近の後輩を見ていると、頑張っているようには見えません。頑張っていない奴にも、私が頑張って“教えろ”ってジュンさんは言うんですか?』
時々、美容師さんからこのような意見をもらうこともあります。
ボクが思うに『頑張る』というモノサシは、すごく曖昧なものです。
いや、ナニも「曖昧なものを全く認めない」とか、そんなことは言いません。
世の中は曖昧なものだらけです。
また、「曖昧なままでいいよね」ということも沢山あります。
ただ、『仕事』に関して、曖昧なモノサシだけに頼りすぎた考え方は、ちょっぴり損してると思うんです。
正直なところ、この理由に対する上司・先輩の気持ちはすごくわかるんです。
しかし、部下(後輩)と『真剣さ』を共有していくのも上司(先輩)の大切なあり方だとも思うんです。
そして、『真剣になるのは上司(先輩)だろうが部下(後輩)だろうが、どっちが先になってもいいんじゃない?』とも思います。
当然、上司・先輩から真剣になったほうが、会社やお店はスピーディーに。
そしてポジティブに展開していくと思います。
「教えることが自分のデメリットになる」という誤解をしている
キャリアのあるスタイリストの中には、無意識レベルでこう感じている人がいます。
アシスタントに仕事を教える
👇
アシスタントがカットデビューする
👇
アシスタントがいなくなる
👇
私が困る
店内のスタイリスト・アシスタントの人数バランスによって。
また、その会社の仕事の仕方や、会社の採用についての取り組みなど…
先輩スタイリスト自身も気がつかない間に影響を受けて、無意識レベルで感じてしまう「怖れ」からやってくるネガティブ思考です。
仕事を教えない理由には、先輩・後輩の関係性という原因以外のことも沢山あります。
先輩が後輩に仕事を教えない理由〜番外編〜
- どんな仕事にも給与を反映させすぎて『お金』をつけないと、スタッフが動かなくなってしまった
- 「マニュアルと同じように」教えるのが難しい、またはできないと思い込んでいる
- 「他の先輩と違うことを言っている」と言われ、その先輩を否定するのも違う気がする。
自分が間違っているわけでも無い。うまく言葉を返せないから、教えるのが面倒くさくなった。
ただ、お互いに『理解していこう』という『対話』が無かっただけかも!
当然ですが…
『先輩が意欲的に若いスタッフを教育しない』からといって、誰かが「悪い人」になったわけではありません。
ただ、自分の持ってる経験や才能。
仕事に対する愛を、どうやって後輩や部下に表現したらいいのか?
- 『知らない』
- 『考えたことも無かった』
というテーマがあるだけです。
全ての問題の根っこには、全部上記の2点があります。
対話の効果についての記事
対話の無い会社はなぜスタッフが辞めたがり、売上げが下がるのか?
世の中には2種類の上司(先輩)しかいない
ボク自身が部下に美容の仕事を伝えてきた経験。
そして、全国の理美容院の経営者さんからご相談を受けたり、様々な業種の方たちと関わってきた中でわかったきたことがありました。
それは、『部下に仕事を教える上司』と『教えようとしない上司』
世の中にはこの2種類の上司しかいないんです。
そして、良い悪いではなく『教える人』の方が圧倒的に少ないのです。
お店全体で意欲的に若いスタッフをサポートしていく環境をつくるための3つのポイント
お店のみんなで、若いスタッフのサポート環境をつくるためにはポイントが3つあります。
部下はあなたの見ている景色を殆ど“見ていない”ことを知る
あなたが富士山の頂上にいるとします。
部下は富士山の麓にいます。
同じ「富士山」にいても、あなたと部下の見える景色は全く違うものです。
同じ会社(お店)で毎日一緒に働いていても、上記の例と同じようなことが起こっています。
このことが本当に腑に落ちて、なおかつしっかり受け入れられるようになると!
あなたが『教育・サポート』に取り組んでもらいたい。そう思っている方に、ナニをどんな順番で伝えていけば動き出すのか?
明確にわかってスッキリします。
教えない部下がナニを考え、感じているのかをちゃんと知る
教えない部下に『教えろよ!』と言っても、教えません。
せいぜい「練習日を決めて、教えているフリ」をする程度だと思っておいてください。
主体的に『教える』ことをしてもらいたいなら、とにかく相手に『あなたのことを理解したい』という姿勢を見せる必要性があります。
「教えない」は経営者からはじまっていることを知る
教えない経営者👉教えない先輩スタイリスト👉教えられない若いスタッフ
これが基本の公式です。
教える経営者👉教えない先輩スタイリスト👉教えられない若いスタッフ
これは現実として起こりえないんですね。
平凡な言葉ですが、『相手を変えようとするのではなく、自分から変わる』を意識しましょう。
『よし!お店を良くするぞ!』の一歩目は?
まず、“先輩が若いスタッフの教育やサポートをしない”原因を正しく把握することを心がけてください。
きっと、この記事で紹介した5つのケース。もしくは、それに近い原因があるはずです。
原因を把握するために『3つのポイント』を意識しながら行動していくだけで!!
早ければ数週間でお店の雰囲気がポジティブなものに変わります。
そして、店内で少しずつ若いスタッフさんに対してのサポートが見受けられるようになります。
なぜなら、経営者(幹部)の方が、キャリアのある理美容師さんに対してサポートをしはじめたからです。
その結果、『先輩美容師さんが意欲的に若いスタッフを教育する』状況へと変化していきます。
賢い経営者は独りで頑張りすぎない
原因を正しくつかめたら、後はクリアにしていくだけです。
もし、クリアにする方法が『ピン!』と来ないようであれば、ぜひContactForm or LINE@などにて、お気軽にご相談ください。
ボク、うまくいっている経営者さんとそうでない経営者さんの違いをずっと研究してきてるんですが、両者を比較したときに見られる大きな違いは『他者の力を借りる力』です。
ココが全く違うんですね。
これ、美容の仕事に変えたらわかりやすいかもです。
カットデビューに向けて頑張っている二人の若手がいるとします。
Aさんはカットを誰にも教わらない。
質問しない。黙々と独りで練習してる。
Bさんはカットの上手な先輩に「教えてください」とお願いしている。
そして、積極的に質問するし、定期的にチェックもしてもらっている。
当然ですが、Bさんの方が着実に目標に向かっていますよね?
美容のことで考えたら…というか、考えるほどでもないくらい『当然のこと』です。
しかし、経営者さんにはAタイプの人が多かったりします。
これは本当に「もったいない」と感じます。
なぜなら、会社(お店)のことで、いま悩んでいるテーマには大きなチャンスが。
そして、解決した時には受け取ることのできる素敵なギフトが待っているからです。
ぜひ、色んな力を使ってテーマを乗り越えて、ワクワクする未来を創っていってください。
※メール・LINEでのご相談は年末は無料でさせて頂いています。また、強引はセールスを行うこともありませんので、ご安心ください。
書籍のご紹介
「この一冊でアウトプットについてわからないことはなくなるんじゃないかな?」というくらい、アウトプットについて詳しく!
そしてわかりやすく書かれた本です。
ボクはiPadで読んだのですが、すご〜く読みやすい一冊でしたよ!
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