スタッフが労働基準監督署へ行きますって言って来たら…のブログお願いしますwというオーダーに無理やり応えたアンサー記事
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田口 淳之介
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田口 淳之介 プロフィール
[副題 あなたにとって僕のことはどうでもいい]
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先日(2016-08-19)こんな記事を僕はfacebookに流しました。
すると…
表参道で美容院を営む、経営者でありトップヘアデザイナーでもある方からこんなコメントをもらいました。
タグ兄さんへ、『スタッフが労務監督署へ行きますって言って来たら』のブログお願いしますw
facebookで僕とつながっている方には丸見えのことなので、隠す必要もありません。
で、僕は内心「書けるかい!」と思いつつも、そんなコメントをくれた彼にメッセージをしました。
(以下、コメントを頂いた本人の許可を得て掲載しています)
スマートフォンでご覧の方は右にスライドしていくとメッセージ(6ページ)を見ることができます
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まず…
このやりとりは凄くプライベートなものです。
しかし、美容業界に貢献する。
それもフルオープンな気持ちでそう言ってくれた田代周氏に、感謝を捧げます。
で、このやりとりを見て、あなたがどう感じるのか?
そこで、何を考えるのか?
それが1番大切なことだと思います。
あなたがスモールビジネスの経営者やマネージャー・店長なら…
(さらに美容院で働いているならば…)
きっと、様々なことを思うでしょう。
共感する部分もあるかもしれません。
否定したくなることもあるかもしれません。
それらを、自分の中で感じたうえで、自分が「会社」とか「美容師」とか「スタッフ」というものに、どんな定義を持っているかを考え、発見してもらえれば、ただそれだけでこのやりとりをオープンにした意味があると思います。
そして、ここからは僕の考えや想いを、より具体的にお話ししていきます。
雇用する側、雇用される側がお互い感謝し合えることが一番大切なことだと思ってお話しします。
スタッフが「労働基準監督署に行きます」って言って来たら、僕ならどうするだろう?
まず、僕ならその人の話しを聞きます。
この場合、事前にそのスタッフが「労働基準監督署に行きます」と言ってくれているのは、本当は「話しを聞いてもらいたい」という最終的な意思表示だと感じるからです。
きっと、その言葉を口にしたスタッフは「それくらい言わなきゃ、話しを聞いてもらえない」という心境にあったのかな?と推測できるからです。
仮に僕が「労働基準監督署」に行きます。と言った側の立場だとして…
本気で怒っていたら、そんなことをオーナーや管理職の人間には言わずに労働基準監督署に行くと思うんです。
そうしていない。ということは、(もちろん本人じゃなきゃ本当のところはわからないけど…)「そんなことしたくない」という気持ちがあって、なんとか話しを聞いてもらう最終兵器みたいにその言葉を使っている気がしてならないからです。
結局、対話のないところには誤解が生まれます。
誤解のあるところには、闘いが生まれます。
これを解消するのは、僕は対話しかないと思っています。
だから、時間をとってまずは話しを聴くと思うんですね。
ブラック企業が取り沙汰される世の中で、僕が勝手に思っていること
自社では、スタッフの労働時間と法律を守るために様々な取り組みをしています。
それは、そうしたい!とか、したくない!ではなく、する必要のあることだからです。
ただ、僕の本当の想いはこんなものです。
僕自身、20歳から美容院で働き出して、ヘアデザイナーとして10年間くらい過ごしました。
僕は仕事がとても好きでした。
(↑これが大前提です)
そして16年前は、今とは世の中が違って色んなことがとても緩かったように思います。
そんな時代に美容院でアシスタントをしていた僕は、時間を気にすること無く練習しまくっていました。
ある日の深夜1時くらいに、いつものように練習していました。
すると、翌日ご来店していただいた新規のお客様が「いつも夜中に電気がついていて、頑張ってるの見てたから来てみたんだよ〜」と話してくれたことがあります。
練習がそのまま集客になるような時代でした。
(別にブログとかかかなくても)
もちろん、嬉しいに決まっています。こんなことを言われれば!
そして、今度はそのお客様のために練習します。
そのお客様を喜ばしたくて…
当時は、会社も自由に練習するためにサロンを貸してくれていました。
そして最も大切なのがここです。
僕は誰(上司・先輩)にも「夜中まで練習しろ!」なんて言われたことが無かったのです。
僕は僕の情熱のままに仕事や練習をしていました。
仕事を覚えて、お客様に喜んでもらえるのが最高に楽しかった。
で、そんなことを経験したことのある僕は、いまスタッフに「夜は練習するなよ〜」とか言っています。
なんだったら時間とか区切って、それを「守ってね〜」とか言っています。
ここに凄い矛盾があります。
もし、当時の僕がそんなことを言われたら(まぁ、絶対そんなコト言われても無視してたと思うけど)その瞬間にやめていますね。
その会社(お店)を。
で、皆さんも考えてみてください。
すごく横暴な話しだと最初に断っておきますが…
例えばリオ・オリンピックで活躍したシンクロナイズドスイミングの選手は、1日2000回以上の腹筋をしています。
そして、とんでもない時間!
とんでもない量のトレーニングをしています。
オリンピックに出ている選手は皆そうでしょう。
で、それはブラックじゃないのか?って思いませんか?
思わないですよね。きっと…
他にもあります。
アメリカの超一流プロバスケットボール選手。
コービー・ブライアントの練習の話しです。
「コービーは長年共にトレーニングをしているティムグローバー(元ジョーダンの専属トレーナー)に、夏のコンディションを整えるために自転車を使ったトレーニングを取り入れたいと言ったんだ。
グローバーはすぐリサーチをしてラスベガスにあるコースを探し、後に3つの自転車を借りて来た。
一つはコービーに、一つは自分に、そしてもう一つはコービーのセキュリティガードに。そして練習初日の前夜彼らはヘッドランプをつけて走りに出かけたんだ。グローバーは午前2時にトレーニングを終えたと語った、そして午前7時30分にはジムでワークアウトに戻っていたんだ。」
みんな、人を感動させたりするような仕事をしている人は、その仕事にのめり込んでいきます。
もちろん、オリンピックに参加するスポーツ選手やプロバスケットボール選手と、美容師を一緒にするな!とか、一般の労働を同じにするな!というのは、わかります。
わかりますし、そんなことが言いたいわけでもありません。
ただ、そうやって何がブラックで何がホワイトかは、本来は「人による」と思うんです。
体力も違えば、性格も違う。
必要な食事の量や睡眠時間も個人によって違うでしょう。
それが、人間というもので、その違いを認めることが、本来は人間がしなくてはいけないことだと思うんです。
経営者とスタッフの対話が困難になりやすい理由
スモールビジネスの経営者の多くは、現場では「やり手」の人でした。
その人達が独立起業します。
やり手の人は、やり手の人の思考回路を持っています。
だから、独立して会社(店)を存続させることができます。
しかし、そこで働く人全てが「やり手」になれるか?というと、まず難しい話です。
それは、それを望んでいない人もいるからです。
そこまで望んでいなくても、「働く」ことはできますし、問題の無いことです。
経営者と一般スタッフの「普通」が違うという、当然の現象が存在しているのですが、そこを埋めるのは対話しかないのです。
僕自身、顧問依頼や幹部育成サポートの依頼を受けた時に、真っ先に取り組むのが経営者と幹部⇔一般スタッフとの「通訳」です。
同じ日本語を使って、同じ会社で、だいたい同じようなモノを食べてるかもしれないけど、経営者とそうでない人の見てる景色は富士山の頂上と麓(フモト)くらい景色が違います。
それが異なる「普通」を持っているということです。
そして、経営者は自分の「普通」をわかってもらおうとします。
なぜなら、それが豊かになる方法だと身を持って経験してきているので「良かれと思って」伝えます。
スタッフの中には、そこまで望んでいなくても「ハイ」という雰囲気をかもしだして話しを聞く人もいます。
そこで「ハイ」と言ってるからって、自分の「普通」を無くしているわけではありません。
自分の「普通」をわかってもらいたくて、経営者や上司に何かしら伝えます。
しかし、殆どの場合…残念ですがうまく伝わりません。
その結果、嘆いたり愚痴を言ったりすることもあります。
そもそも”お互いに分かり合おう”というスタンスがなければ、かけ離れた2つの”普通”が存在しているだけなのです。
このかけ離れた2つの”普通”を混ぜあわせよう!と想わない限り(もしくは徹底的に交わらないのを良しとしない限り)そこには争いの心が生まれます。
この現象を無くしたくて、僕は”ありのままの自分”というコンセプトでスモールビジネスの経営者・マネージャー・店長にコミニュケーションの方法や考え方、チームマネジメントについての発信を行っています。
上記の話しだけでは、どうすればいいのか?までは語りつくせていませんが、それでも経営者とスタッフの中に起こる悲劇のメカニズムはなんとなく把握してもらえたと思います。
このメカニズムは誰のどんな会社(お店)にも、当てはまるものです。
そして、争いを無くすには(メッセージの中にもありましたが)自分の価値判断に意識的に気づき、その価値判断を手放すことです。
これが正解!というものを如何に少なくするのか?
(これに取り組む時、一時的に混乱が起こります。ただ、その混乱無くして次のステップはありません)
自分の正解や正義が誰のためのもので、誰と一緒に自分自身は幸せを感じたいのか?
そんなことをリラックスした時間の中で自分に聞いてみて欲しいと思います。
僕も、いつだってそんなことを、静かに自分に聞いて、そこから聴こえた声に従って毎日を過ごしています。
全てのスモールビジネスのオーナー・経営者・マネージャー・店長・スタッフに笑顔が訪れる日を祈って、長文を締めくくりたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました♬