嘘つきは泥棒のはじまりを経営に当てはめてみると…

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田口 淳之介

スモールビジネスプロデューサー
『人間関係の仕組み』と『コミュニケーション』の専門家。 老若男女問わず20,000人との対話実績をもとに、様々なスモールビジネスの顧問サポートを受け持つ。また経営者・幹部の個人的カウンセリングを行う。全国各地で、笑いあり涙ありのセミナー・ワークショップを開催中!

読了時間 約 6 分です。

この記事には、人によっては「不快」「言葉が強すぎる」と感じる表現があります。

人を傷つけたりするような意図はありませんが、そう感じる予感がしたらスルーして下さいね。

 

 

嘘つきは泥棒のはじまり…

子供の頃に一度や二度は聞いてますよね?

 

 

ボクなんかも、嘘ついたり、誤魔化そうとしたときに親にこうやって叱られた記憶があります。

 

 

嘘つきは泥棒のはじまり的な経営とは?

会社の経営やお店の運営でも、まさに!

 

嘘つきは泥棒のはじまり

つきは泥棒の始まりとは、平気で嘘をつくようになると、盗みも平気でするようになる。嘘をつくのは悪の道へ入る第一歩であるということ。 出典 故事ことわざ辞典

 

という状態に陥っている経営者の方が少なからずいます。

ちなみに、ココで言う『嘘つき』の嘘とは、誰かを傷つけようとする嘘というより、“自分自身の本当の心をあざむく”というニュアンスです。

 

要は“自分の気持ち”に嘘をついてしまっている状態です。

自分の気持ちに嘘をつく。というのは、

  • 『本当は従業員に伝えるべきことだと思っている。けど、言えない』
  • 『社内に問題があるような気がするけど、見てみないフリをしてしまう』

と、心の中では思っているけど表現(対応》できていない状態です。

 

自分の考えや気持ちを偽って、表現しないようにしている状態であり、従業員(部下)との関わりを持たないようにしている状態です。(こういう時、経営者の口から一番聞くセリフが「様子を見てる」とか「タイミングを見てる」というセリフです)

 

 

経営者が自分自身の気持ちをあざむいていると、嘘つきは泥棒のはじまり。になる理由

経営者が自分自身の気持ちを欺いていると、ナニを泥棒してしまうのでしょうか?

ボクが考えるに、盗んでしまうものは大きくわけて3つあると思います。

一つずつ解説してみます。

 

 

嘘つき経営者は、従業員の成長(未来)泥棒のはじまり

最初に思いつくのが『従業員の成長』を止めてしまう。

その名も成長泥棒です。

 

仕事の持つ“やりがい”や“楽しさ”と人の成長を盗んでしまうんですね。

 

本来、仕事には『楽しい』とか『楽しくない』なんてありません。

仕事を楽しむ心のある人とそうでない人がいるだけです。

 

従業員が仕事に真摯に向き合い、楽しみやすい職場環境かどうか?は、経営者が持つ正直さ、誠実さがどれだけ社内に広がっているかどうかです。

 

経営者が自分の気持ちに嘘をつきながら働いていると、職場には『嘘はありなんだ』とか『嘘も方便だよね』という空気が暗黙の了解となって蔓延します。

そういう環境下で、働く人が心から仕事を楽しんでいる状態というのはほぼ無いんですよね。

 

仕事に誠実に向き合い、仲間やお客様とわかちあうことで人は成長します。

なので、経営者が自分に嘘をついていると、従業員がクサった態度になることはあっても、成長していくことは少ないわけです。
(ちなみに、嘘の蔓延が常態化すると、人がバタバタと辞めていきます。そして、悪い空気に慣れ親しめた人だけが、特に向上心もなく惰性で働いている会社が出来上がります)

 

経営者が自分の本心をちゃんと表現していないと、従業員はこんな感じで辞めていく!
  • 『ここにいても、将来が見えないので辞めます』と言って辞めていく
  • 辞めたいがために、以下の理由をつけてやめていく
    •結婚•妊娠•親の面倒 etc…

 

 

嘘つき経営者は、お客様の満足泥棒のはじまり

モノを購入するとき、まともな人なら誰でも『誠実な人』から購入したいですよね。

商品に関しても、販売プロセスに関しても、どんなコトに対しても、良いことばかりを伝えようとする人や、売り上げの都合(自分の都合)しか考えていない人から購入するより、『お客様の立場になってくれる人』や『真実を伝えてくれる人』から購入したいわけです。

 

しかし、経営者の心があざむかれた会社(お店)では『真実』が後退こうたいして、そのかわりに『誇大こだい広告』とか『その場しのぎ的な販売』(一時的に売上を増加させるためのキャンペーンetc…)が横行します。

 

そういったやり方は、ネガティブな空気感となってお客様に伝わります。

結果、お客様が会社(お店)に抱いていた信頼を裏切り、お客様の満足度も下がっていってしまいます。

 

自分自身が『自分の気持を無視している』ということに気がつかず、売り上げを『仕組み』とか『戦略』だけでなんとかしようとしても、それって土台無理な話しなんですよ。

 

例えば、2人の経営者がいたとします。

同じ業種で、同じような事業形態・事業規模もほぼ同じ。

で、同じ戦略を活用しても、片方がうまくいって、片方が失敗することはよくあることです。

 

なぜ、うまくいく経営者とそうでない経営者がいるのでしょう?

根本的な問題は『戦略』にあるのではなく、戦略を活用する『人の心』にあるので、当然といえば当然です。

 

 

嘘つき経営者は、利益泥棒のはじまり

経営者が自分自身をあざむくと、結果、従業員とお客様に嘘をつくことになってしまう。

 

その結果は『売り上げ』とか『利益』『離職率』という数字になって、誰の目にも明らかなものになります。

この現象…実は現時点で数字上は『うまくいっている!』という会社にも当てはまることがあります。

というのは、もし経営者が自分自身を欺いていなかったら、もっと大きな利益を受け取ることができていたり、同じ額の利益でも“もっと楽に”受け取れたりするからです。

 

 

まとめ

経営における『嘘つきは泥棒のはじまり』のタチが悪いのは、誰も自覚してやっていないことです。

誰も、悪気は無いし、誰も盗む気も無いんです。

 

ただ、自分の心に正直なことを表現するのが怖くて、その状態に慣れすぎて、なかなか自分自身ではそのことに気がつけない。だけなんですね。

 

すると、嘘をつくような従業員が増えたり、好ましくないお客様が目立つようになります。

結果、その人達をなんとかしようとして、自分自身の本当の気持ちを察知しにくくなるんです。

 

  • 嘘をつくつもりなんて無いのに、結果『嘘つき』になってしまう。
  • 盗むつもりなんて無いのに、結果『泥棒』になってしまう。

 

こんな状態になってしまっている人がいる。と、誰かから聞けば、ボクは切ない気持ちになることがあります。

と、同時に『自分自身はどうかな?ボクは自分の気持ちを誠実に表現しているかな?』と、自分に常に問いかけないと、一瞬で嘘つきにも泥棒にもなってしまう…。

そう思うこともあります。

 

 

ボク、キレイゴトを言うわけじゃないですが、スモールビジネスの経営者や幹部の方で『本当に悪い人』って殆ど会ったことがありません。

 

でも、その人なりの理由で『嘘をつかざるえない…』とか『自分を出しすぎないようにしている…』とか『自分を押し殺すのが正解だろ!』という経営者や幹部の人には、お逢いすることがあります。

 

その方たちは、みんな葛藤を抱えているし、苦しい気持ちを味わっています。

もちろん、ボクもあらゆる手段を使って、自分自身の本当の気持ちに嘘をつき、誤魔化し、うやむやにし、正当化しようと試みていた時期がありますから“苦しい気持ち”がわからなくもないんです。

 

ただ、葛藤を抱えていること、苦しんでいることを真正面から受け入れていく人と『こんなもんだろ…』と自分に言い聞かせてしまう人が世の中にいるのも知っています。

 

どんな選択も、間違いではないし、意味のあることだと思うんです。

 

 

でも…

やっぱり自分自身の心に正直でないのは、なんというか『不健全』なんですよね。

当然ですが。

 

 

『仕事』って、なんらかの価値を世の中に提案していくものです。

その価値提案は、まず、価値提案をしている自分自身を一番幸せにしなきゃいけないものだと思うんです。

 

『仕事』に自分自身を“不幸せにしなきゃいけないこと”があるのって寂しいですよ。

 

自分の心に正直でいる。

そんなシンプルなことが、すご〜く難しく感じてしまう状況にいる人にこそ、リラックスしてもらいたいし、勇気をだして自分との、そして仲間やお客様との『対話』をスタートさせてもらいたいですね。

 

 

 

 

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ピン!ときた方はぜひご参加ください。お逢いできるのを楽しみにしています。

 

最後までお読みいただきありがとうございました♪

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2018-08-20 | Posted in マネジメントNo Comments » 

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